旭川アルプス国際行政書士事務所
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脳脊髄液減少症の検査の概要をお知らせします。
なお、脳脊髄液減少症の検査や診断の方法等につきましては、各病院が個別に定めており、ここに述べられている内容は参考に留めておいてくださるようにお願い申し上げます。
1 診察の予約をする
まずはじめに、脳脊髄液減少症の診察を行なうことのできる医師がいる病院に問い合わせ、初診の予約を入れます。今のところ、脳脊髄液減少症の疑いのある患者を受け入れている病院は、各都道府県で1~2件ほどです。受け入れを公表している医療機関のない県もあります。そして、実際に受け入れている病院で診察・検査・治療をする医師も各病院に1人か2人ほどです。
そのため、初診の際には、ほとんどすべての病院で予約が求められます。そして、医師の絶対数が少ないのに対して、患者の診察は増えているため、多くの場合、予約から初診まで数か月から1年以上待つことになります。
2 問診
初診では、まず問診を行ないます。現在の症状や、その症状が表われるようになった時期や状況、その後の経過などについて尋ねられます。この段階で医師が脳脊髄液減少症の疑いがあると認めた場合には、脳のMRI検査についての説明を受けます。
3 MRI検査
問診に続いて、もしくは、初診後新たに予約をして、MRI検査を行ないます。脳脊髄液減少症の検査で撮影するMRIは、通常の交通事故後に撮影するMRIとは違い、造影剤を投与して行なわれます。造影剤を腕から注射し、脳にある隙間や静脈が広がってないかなどを検査します。また、通常のMRIは脳の横の断面のみ撮影しますが、脳脊髄液減少症の患者には脳の下垂の所見が見られることがあるため、縦の断面も撮影します。MRI検査の結果は、当日中か翌日には伝えられます。
MRI検査で脳脊髄液減少症の疑いがあると医師が判断した場合、さらに、RI検査を行ないます。RI検査は、腰から非常に細い注射針で髄液腔内に放射性同位元素(ラジオアイソトープ=RI)を注入する検査であり、場合によっては痛みや痺れを伴うことがあります。また、検査では注射器により人工的に硬膜に穴を開けてしまうため、その針穴から髄液が漏れ、症状が悪化する可能性もあります。もっとも、脳脊髄液減少症の患者の場合、もともと他の場所からも漏出しているため、治療の際にその針穴も埋めることができます。
以上のような理由から、通常、MRI検査で疑いがない場合にはRI検査を積極的に行なうことはありません。一方、疑いが残る場合には、RI検査の手順や、検査によって痛みの発生や症状悪化の可能性があることの十分の説明を受け、患者が同意した場合にRI検査に進みます。
4 RI検査
RI検査を行なうには、入院することが必要です。
ベッドに両腕で膝を抱えて真横になり、局所麻酔を行ない、腰から薬剤を注入します。そしてこの薬剤が硬膜の外に漏れるかどうかを調べるため、通常、注入直後、1時間後、3時間後、6時間後、24時間後に撮影します。注入から3時間までは枕もせずに頭を低い位置にして絶対安静を保ちます。横になりながら食事を取ることはできますが、膀胱内に薬剤が蓄積されているかどうかも撮影するため、トイレに行くことはできません。3時間が経過した後は、ある程度の歩行が許されるか、行動の制限がまったく解除されるかは、その医師の見解によって異なるようです。
翌日、24時間が経過した後の最後の撮影を終えて、検査の結果が報告されます。髄液が漏れている場合には、患者も画像上から確認できます。
RI検査によって、脳脊髄液減少症の可能性が肯定された場合には、ブラッドパッチと呼ばれる治療法の説明と、その治療法を受け入れるかどうかの医師との話し合いが行なわれます。
ただし、現状では、RI検査も完全なものではなく、脳脊髄液減少症の診断や検査方法などは医師によって見解が異なることもあり、この分野の研究は継続してなされています。
実際には、脳脊髄液減少症の症例に似た症状を示し、検査からも脳脊髄液減少症と共通の所見が何点か見られても、すべての患者が脳脊髄液減少症と診断されるわけではなく、むしろ診断される方が少ないといえます。
また、「脳脊髄液減少症」といった概念そのものにも異なる意見を持つ医師もおり、いまだ「病気」として認知されるに至っておりません。しかしながら、近い将来、「脳脊髄液減少症」という名称や現在の検査・治療法が採用されるかどうかはともかく、この症例に関してのより良い対処法が確立されるに違いありません。
脳脊髄液減少症を知ってくださいのページでもお伝えしたとおり、アルプス国際行政書士事務所では、脳脊髄液減少症の疑いを持つお客様が、法律上もしくは契約上の権利を守るためにお手伝いすることを目的としており、最新かつ正確な医療情報を提供するものではありません。したがいまして、脳脊髄液減少症についてより詳細な情報をお知りになりたいお客様は、必ず、脳脊髄液減少症の診断を行っている医師に直接お尋ねください。